鳥羽駅から約25分、伊勢志摩の海の文化を学べる、展示物が盛りだくさんの博物館。小さなお子さまも楽しめるクラフト体験も充実していて、大人も子どもも大満足間違いなし!
牡蠣が有名な鳥羽市浦村。鳥羽駅を出発し、車でおよそ25分。数多く並ぶ牡蠣小屋を越えた先にあるのが≪鳥羽市立 海の博物館≫です。
あまり知られていない海女のすごさに迫れたり、鳥羽での昔ながらの漁の様子を垣間見られたり、収蔵庫に所せましと置かれた、今は技術が途絶えてつくれない木造船を見学できたり…、見どころたーっぷりの博物館です!
また、体験学習室では土日祝日や学校の長期休み期間に合わせて様々なクラフト体験を実施しています。貝殻や小石、シーグラスなどを自由に使って作れるかわいいマグネットや、海藻をレジンで固めて作るストラップを作れば、思い出のつまった宝物になること間違いなし!また、春から夏の間には海辺での自然体験も開催されます。こちらは小学生以上限定にはなってしまいますが、鳥羽の磯の生き物の観察をできる夏休みの大人気メニューですので、お子様が小学生になられたときには、ぜひ!
そして日本建築学会賞に選出された建物にも注目です!
授乳室やおむつの交換台も完備されているので、小さなお子さまと一緒でも安心して観光できる、快適で迫力満点の博物館です。
ENJOY1貝絵馬に願いを!牡蠣殻でできた龍神様
取材時(2024年1月)には、2024年の干支である辰にちなんだ、牡蠣殻でできた龍神様が飾られていました!全長9m、高さ4mの龍神様、なんと7,000枚もの牡蠣殻を使用し、3カ月の月日をかけてつくられたもの。動物園では出会えない龍に、海の博物館では出会えてしまいます!待ち受けにすれば今年の運気はきっと急上昇…!!そして貝殻で作られた、とってもきれいな絵馬も用意されています。この貝絵馬にお願いごとを書けば、きれいな絵馬に神様の目も留まり、お願いごとを叶えてくれることでしょう!
ENJOY2世界に一つだけのマグネット作り
体験学習室で作れる海のマグネットはこちら!なかなか見られない形の貝や、カラフルで地球に優しい海洋プラスチックごみのチップを自由に使って、自分だけの、オリジナルの生き物をデザインしてみて!所要時間は20~40分で、小さなお子様も保護者同伴なら体験できるとのこと。予約は不要で、空いていればすぐに案内してもらえるので、お気軽にどうぞ!
ENJOY3春夏限定!小学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんにおすすめの磯学習
夏休みの自由研究にもぴったりの海辺の自然体験は、春夏期間限定で開催!様々なプログラムが用意されています。こちらは事前予約制で、人気のプログラムは早めに定員になってしまうこともあるので、参加したいプログラムがあったらすぐにご予約を!
また、料理教室が開催されることもあるので、こちらもHPを要チェック!
※残念ながら小学生未満のお子さまは参加できません。ご了承ください。
ENJOY4館内に置かれているパズルで、楽しく海のことを知っていこう!
館内にはいくつかパズルが設置されています。近くの展示をヒントにしながら、正解までたどり着いてみて!ちょっと難しいものもあるから、家族みんなで力を合わせてがんばろう!
ENJOY5隠れ☆マーク探し!
海女が漁に出るときに頭に巻く手ぬぐいに描いてあるこの☆マーク。これはセーマンと呼ばれていて、魔除けの意味を持っています。博物館のどこかに隠れセーマンがあるのだけれど、見つけられるかな?ヒントは建物の外。屋根を見上げてみて!
ENJOY6じっくりお魚を観察して、目指せ、お魚博士!
普段スーパーや鮮魚屋さんでは、魚を間近でじっくり観察することはできないですよね…。それ、海の博物館でできます!三重の近海で獲れる魚がずらりと並んでいるこちらの魚屋さんコーナーでは、台いっぱいに魚が並んでいます。しかもそれぞれの魚の解説つき!お子さまと一緒に、気になる魚を心ゆくまでご覧ください!
ENJOY7ここでしか手に入れられない、かわいいお土産
一番人気のお土産は、海の博物館オリジナルのうなぎのぬいぐるみ!なんとも言えない愛らしいおめめで見つめられると、お家に連れて帰りたくなっちゃいます…!しかもうなぎのぬいぐるみがぴったり入るカゴまで売っています。カゴに紐を通したら、カゴごとうなぎのお散歩ができたり、かばんのように持ち歩いたりできるかも…?
ENJOY8なんと中に入れます!トンネル建設時に活躍した潜水艦!
本州最北端の青森と北海道の函館を繋ぐ青函トンネルを建設するときの海底調査に使われた潜水艦・白鯨號が展示されていますが、なんとこれ、中に入れるんです!潜水艦の乗り込んだお子さまを、正面の丸窓から覗いて写真を撮るのがおすすめの撮影法。はしごは危険なので、小さなお子さまは必ず大人と一緒にご乗船くださいね!
ENJOY9これであなたも海女の仲間入り!海女小屋に入って、はいチーズ!
おすすめフォトスポットは潜水艦だけではありません。館内には、海女小屋に入って写真を撮れるスポットもあるのです!漁から戻ってきた3人の海女と一緒に焚き火にあたって身体を温めながら、獲ったばかりの新鮮な鮑や牡蠣をいただきまーす!写真を撮ったら、あなたも海女の一員です!
ENJOY10天草から作る、本物の寒天を使ったところてんをご賞味あれ!
広い博物館、全部まわったあとには甘いものを食べたくなりますよね!そこでぜひ訪れてほしいのが博物館に併設する≪カフェあらみ≫。大人気メニューは、海女の獲った天草から煮だして作った自家製ところてんです!粉寒天や棒寒天から作る寒天と比べると、天草から時間をかけて煮だして作る寒天の味は別格のおいしさ。弾力のある歯ごたえと天草の香りは、お子様だけでなく大人にも絶対に味わってもらいたい一品です!
ENJOY11圧巻の建築
とらや赤坂店の設計をしたことで有名な、日本を代表する建築家・内藤廣が設計した、船のようなデザインの建築は圧巻です。途絶えてしまった木造船の技術を再現したかのような柱のない空間。木が織りなす柔らかな曲線が連なっており、温もりに満ちています。内藤廣の名を世界に知らしめるきっかけにもなった、建築の教科書に載るほど有名なこちらの建築も、どうぞご堪能ください!
コラム -COLUMN-
海女って歴史がすごーく長い職業!
伊勢志摩における海女漁の始まりはなんと伊勢神宮と同じ、およそ2000年前まで遡ります。日本書紀によると、天照大神を伊勢神宮にお祀りしたとされる倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大神に奉納する神饌に選んだのが、伊勢志摩の海女が獲った鮑。しかし生ものでは腐ってしまう…と、鮑を薄く延ばして乾燥させたものを奉納したそうです。それが熨斗鮑と呼ばれるようになり、今でも伊勢神宮に奉納され続けています。私たちがお祝い事のときに使う熨斗もよく見てみると、中心に細長い黄色いものがついていますが、それは熨斗鮑を模したものなのです。2000年前の伊勢の文化が脈々と受け継がれ、今こうして日本全国で当たり前のものになっているのって、とっても感慨深いですね。
日本一海女の人数が多い三重県。2023年1月時点で514人もの海女が伊勢志摩で活躍していますが、50年前と比べると8分の1の人数まで減少しているそう。それだけ過酷な文化を継承し続けている海女へリスペクトが、海の博物館を訪れると芽生えてきますね。