東海道関宿を代表する町家を利用した資料館です。関宿の町家の特徴があらわれた建物が再生され、家具や道具類などが展示されています。ジオラマを使った町並みの展示や、歴史ある町を守るための住民一丸となった保存活動など、多角的な方角から関宿を紹介しています。じっくりと資料に触れることで、江戸時代の人々の暮らしを身近に感じることができるでしょう。
「関まちなみ資料館」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された東海道関宿の中町地区にあります。江戸時代末期に建てられた関宿を代表する町家建築のひとつ「旧別所家」を3年の月日をかけて解体・復元し、公開しています。建物は主屋(しゅおく・おもや)、角屋(つのや)、土蔵からなり、西(京側)に床を張り、東(江戸側)を土間にするなど、関町の町家の特徴がわかる造りとなっています。
資料館の中では、町家で使われていた箱階段や薬箪笥、皿や硯などの道具類といった、実際の生活の中で使用されていたものを多数展示。古い町並みを表したジオラマなども利用し、江戸時代の暮らしを今に伝えています。また、昭和55年に行われた保存対策調査や、「関町伝統的建造物群保存地区保存条例」制定による再生事業など、古い町並みの保存活動の歴史もパネル等で紹介されており、住民が一丸となって歴史ある町を守り継いできたことがうかがえます。
入館料は関宿を代表する旅籠を利用した「関宿旅籠玉屋歴史資料館」との共通となっています。さらに、夏の風物詩「関宿祇園夏まつり」で登場する勇壮な山車を展示する「関の山車(せきのやま)会館」との3館共通入館券もあるので、関宿の歴史や文化に興味がある人はこちらを利用してください。どの施設も歩いて数分の距離にあり、アクセスも抜群です。
ENJOY1今では珍しい道具類を展示
階段の側面を家具として利用した箱階段、冬の暖房器具である火鉢、現代の金庫にあたる銭箱など、今では珍しい江戸時代の生活道具が多数展示されています。2階には灯明皿、硯、すり鉢の破片などもあり、かつての暮らしをしのばせます。
ENJOY2町並み保存の歴史を知る
国の重要伝統的建造物群保存地区に指定される東海道関宿ですが、何もせずにこの形を保ってきた訳ではありません。江戸時代の宿場町の姿を守るために、行政や地域住民が一丸となって、調査や修繕などの保存活動がなされてきました。その歴史も知ることができます。